「ここ、プログラムで何とかならない?」が仕事になった
最初に受けたのは画像編集の案件でした。
ところが作業を進めるなかで、「ここはプログラムで効率化できそうだ」と思う部分が見つかり、依頼主の方に別案件として提案しました。
結果、その提案が受け入れられ、プログラム作成の仕事として受注できた——そんな経緯があります。
作ったのは大規模なシステムではなく、小規模な2つの機能。それでも、導入後作業時間が6割も減らせるような作業補助ツールとなりました。
この記事では、画像編集の現場からプログラム案件につながった流れを時系列でまとめています。現場で実際に起きた話です。
この記事の流れ
- 画像編集の作業のなかで、どんな「効率化できそうなところ」に気づいたか
- 依頼主にどう提案し、プログラム作成の案件として受けられたか
- 案件として作った2つの補助機能の内容
- 導入後、作業時間がどれくらい変わったか(数値つき)
- フリーランスの仕事と、プログラミング学習がどうつながるか
目次
- 最初は、ただの画像編集の依頼だった
- 作業のなかで、「効率化できそうなところ」を見つけた
- 依頼主に提案し、プログラム作成の案件として受けた
- 案件として作った2つの機能
- 導入後、作業時間はどう変わったか
- この経験から学んだこと
- 講師として、この話をどう活かしているか
- まとめ
はじめに
私はフリーランスで、プログラムとは関係のない仕事を受けることもあります。多くの場合、依頼された内容をそのままこなすだけで終わります。
でも今回は、流れが変わりました。
最初に受けたのは画像編集の作業です。画面を開き、素材を配置し、細かく調整して、データを整理して、次のファイルへ——ごく普通の仕事でした。
ところが、その作業を進めるなかで「毎回同じ手順を繰り返している」「ここならプログラムで任せられそうだ」と感じる場面が出てきました。そこで勝手に作り始めたのではなく、効率化の提案を依頼主の方に持ち込み、プログラム作成の案件として受注しました。
画像編集の依頼が、そのままプログラム作成の依頼に変わった——そんな少し珍しい経験です。以下、くわしい経緯を順に書いていきます。
1. 最初は、ただの画像編集の依頼だった
同じ作業をくり返しような仕事を行う時、私は「どうやったら早く終わらせられるかな」と考えながら作業を進めます。
作業の順番だったり、素材の準備だったり
プログラムを書く予定は、もちろんありませんでした。
1件の作業が終わるたびに、管理番号を付けたファイル名でデータを保存し、完了フォルダーへ移す。作業の途中では、小さな画像を決まった場所に、決まったサイズで何度も配置する。どちらも、一見すると「当たり前の手作業」に見える部分です。
作業を重ねるうちに、こう感じるようになりました。
同じ動作を繰り返してるな
1件あたりは大したことないかもしれません。でも積み重なると、作業時間の大半が「考える作業」ではなく「同じ操作の繰り返し」になっていました。私の作業記録では、効率化ツールを入れる前は1件あたりの平均作業時間が約1時間3分でした。
ここで、「もしかしたら、うまく考えればプログラムで半自動化できかもしれない」と考え始めました。
2. 作業のなかで、「効率化できそうなところ」を見つけた
効率化の話が出てきたのは、最初から計画にあったわけではありません。画像編集の作業をこなしながら、現場をこういう視点で見ていました。
- 毎回、手順がまったく同じ部分はないか
- 人が判断する必要がなく、ルールで済む部分はないか
- プログラムに任せられそうな「地味な繰り返し」はどこか
見つかったのは、大きく2つでした。
ひとつ目は、作業完了後の処理です。データに管理番号を付けた名称にして、完了フォルダーへ保存するまで、毎回同じ順番で同じ操作をしていました。
ふたつ目は、作業の途中に何度も出てくる「小さな画像の配置」です。特定の場所に、特定のサイズ感で並べる——これを1枚ずつ目視で微調整をするのに、意外と時間がかかっていました。
「全部を自動化する」必要はない、と整理しました。人がやるべき編集は人がやる。でも、毎回同じことをしている部分やコンピュータでも判断できる部分だけは、仕組みに任せられるはずです。
ここまでが「気づき」の段階です。このあと、それをそのまま作業に混ぜ込むのではなく、提案として切り出すことになります。
3. 依頼主に提案し、プログラム作成の案件として受けた
見つけた2つの課題について、依頼主の方に提案しました。
伝えた内容は、おおまかにこういうものでした。
- 作業のなかで、繰り返しが多い部分がある
- そこを補助ツールにすれば、作業時間をかなり短くできそうだ
- 大規模なシステム開発ではなく、今の作業フローに合わせた小さなプログラムで対応できる
- 別案件として、プログラム作成の仕事を受けさせてほしい
いきなり作り始めたわけではありません。画像編集の仕事を続けながら課題を整理し、「効率化のためのプログラムを作る」ことを、新しい依頼として提案した形です。
依頼主の方に了承をいただき、プログラム作成の案件として正式に受注しました。そこからが、プログラミングの仕事の本番です。最初から完璧を目指すのではなく、「現場で使えるか」を基準に、見つけた課題を1つずつ形にしていきました。
4. 案件として作った2つの機能
ここでは具体的な言語名やツール名は書きません。大切なのは、案件として何を納品したかです。
機能①:完了処理を、ボタンひとつにまとめた
作業が終わるたびに行っていた一連の流れ——管理番号付きの名称でデータを整え、完了フォルダーへ保存するまで——を、1ボタンで完了するようにしました。
以前は、終わるたびに同じ手順を踏み直していました。導入後は、編集そのものに集中したあと、ボタンを押すだけで後処理が済みます。地味ですが、1日に何度も繰り返す作業では、この差が大きく効きます。
機能②:小さな画像の配置を、おおまかに任せられるようにした
作業のなかで何度も出てくる「小さな画像を、決まった場所に、決まったサイズ感で並べる」作業に対して、次のような補助を入れました。
大雑把に画像を配置するだけでよく、あとは画像認識で位置やサイズの調整を自動で行ってくれる——そんな仕組みです。ピクセル単位で完璧を狙うのではなく、「だいたいここに、だいたいこの大きさで」という調整の手間を減らす、という発想でした。
画像認識といっても、画面上から1ドットずつ色を読み取り作業内容に合わせて判断するような自作の簡単な仕組みのものです。といっても画像認識の処理を自作したことはなかったため、最初の内は無駄な処理が多く動作が重くなったってしまい、実用レベルまで軽量化するのに苦戦しました。
どちらも派手なツールではありません。でも、依頼主の方が実際の作業で使えることが、案件としての条件でした。
5. 導入後、作業時間はどう変わったか
画像編集の依頼はそのまま続き、そこに別案件として作ったプログラムが加わった形です。
プログラムを導入したあと、自分の作業記録では次のような変化が出ました。
| 項目 | ツール導入前 | ツール導入後 |
|---|---|---|
| 1件あたりの平均作業時間 | 約1時間3分 | 約24分30秒 |
| 短縮率 | — | 約61%短縮 |
人によって作業の速さや慣れには差があると思います。だからこそ、ここでは金額の話はせず、自分の記録に基づく時間の変化だけを示しています。
提案したときに「短くなりそうだ」と感じていた部分が、思った以上に実際の数字としても表れました。依頼主の方に提案する価値があった、と実感できた点でもあります。
6. この経験から学んだこと
現場にいると、「次の仕事」の種が見つかる
画像編集の案件に入っていなければ、繰り返し作業の存在に気づくのも難しかったかもしれません。依頼のなかで現場を見ることで、プログラムで解決できそうな課題が見えてきました。
プログラミングは、いきなり大きなものを作らなくていい
受けた案件で作ったのは、大規模なアプリではなく、今の作業に合わせた小さな補助ツールでした。ボタンひとつ、配置の補助ひとつ——それでも、1時間超の作業を24分台まで縮める効果がありました。
作って終わりではない
作業の流れが変われば、プログラム側も直す必要があります。案件として引き受けた以上、使われ続けることも含めて考える必要がある、という実感もあります。
7. 講師として、この話をどう活かしているか
Code House Plus では、未経験の方が Python を順番に身につけていくカリキュラムを組んでいます。
今回の経験は、授業でこう説明するときの具体例になっています。
- プログラミングは、特別な人だけのものではない
- 繰り返し・整理・条件分岐といった基本が、仕事の「地味な困りごと」にそのまま効く
- いきなり大きな作品を作る必要はなく、現場の課題から小さく始められる
- 学んだことが、別の仕事の提案につながることもある
画像編集の依頼を受けたはずが、提案を経てプログラム作成の案件につながった——そんな経験は、スクールで「プログラミングを学ぶと、仕事の幅が広がる」と話すときの材料にもなっています。
まとめ
- 最初に受けたのは画像編集の案件だった
- 作業のなかで効率化できそうな部分を見つけ、依頼主に提案してプログラム作成の案件として受注した
- 完了処理の1ボタン化と、小さな画像配置の補助機能を、案件として作った
- 自分の作業記録では、1件あたり約1時間3分 → 約24分30秒(約61%短縮)
- 現場で見つけた課題を、提案して次の仕事につなげることもできる
「プログラミングは自分には関係ない」と感じている方にこそ、仕事のなかの小さな繰り返しが、次の一歩になることがある——そう思える経験でした。

